緑内障
- 緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝える視神経(目の神経)に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気のことです。
症状は、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。しかし、その進行は非常にゆっくりのため気づかないことが多く、自覚症状が出たときにはかなり進行してしまっていることもあります。
自覚症状のない緑内障は、早期発見・早期治療がとても大切ですので、眼科での定期的な受診検査をおすすめします。 - 緑内障は、年齢や近視、遺伝などが関係しているとも言われています。
70歳以上の方では13%(8人に1人)のひとが緑内障と言われています。
また、緑内障の患者さんの80%以上の方が、自分が緑内障であることに気づかれておらず、治療を受けられていないのが現状です。
40歳以上の方、近視の方、ご家族に緑内障の患者さまがおられる方は特に、緑内障検診をおすすめします。
緑内障の原因
- いろいろな原因がいわれていますが、眼圧(目の硬さ)が、その人の耐えられる眼圧より高くなることによって引き起こされます。
- 目の中では、房水という栄養を含んだ水分が絶えず作られては目の外に排出されています。その房水の出口(隅角といいます)が通りにくくなり、目の中に水分が貯まってしまい、眼圧が高くなり緑内障を引き起こしてしまいます。
緑内障の種類
開放隅角緑内障
房水の出口が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。
正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲(10~21mmHg、眼圧の単位)にも関わらず緑内障を発症します。人によって視神経の強さには差があり、正常の眼圧でも視神経が悪くなってしまいます。日本人には、多いことが分かっています。
閉塞隅角緑内障
房水の出口(隅角)が狭くなり、眼圧が上昇してしまいます。急激に発症することがあり、緊急の処置が必要な場合があります。眼痛(目の痛み)に加えて、頭痛や嘔吐などの症状を伴うこともあります。
緑内障の検査
- 視力検査・眼圧検査・隅角検査(房水の出口の検査)・眼底検査(視神経の検査)
- 視野検査(見えている範囲の検査)に加えて、
光干渉断層計(OCT)による眼底写真の解析により、今までは発見できなかった早期の緑内障を診断できるようになってきました。
ご心配の方は、ぜひ検査を受けて下さい。
光干渉断層計(OCT)による眼底写真の解析
緑内障の治療
- 緑内障の治療は、眼圧を下げて病状の進行を抑える治療となります。
- しかしながら、一度障害を受けた視神経や視野欠損は回復することは難しいのが現状です。やはり早期発見・早期治療が最も重要になります。
- はじめは、点眼薬による眼圧を下げる治療を行います。もともと眼圧が高くない人でも、眼圧を下げることにより病状の進行を抑えることができます。
- 点眼薬でも治療が難しい場合は、レーザー治療や手術治療を行います。
- 当院でのレーザー治療(SLTレーザー治療)は、手術室ではなく外来診察室にて行うことができます。
緑内障レーザー治療(SLT)(眼圧を下げるためのレーザー手術治療)